外来で橈骨神経麻痺の方をときどき診察する機会があります。
本日の方は、起床時から下垂手が出現したとのことで2週間前に受診されました。


初診時にMMT 1レベルだったので、これは2ヶ月程度かかるかもしれないなと思っていましたが、本日診察すると既にMMT 4程度に回復していました。


話をお伺いすると5日目ぐらいから手指や手関節の伸展運動が可能となったそうです。早期に回復した理由を考えてみましたが、何も思い当たりませんでした。


そもそも健康な20歳台の女性なので、橈骨神経麻痺を発症リスクが低いはずです。一般的な橈骨神経発症の原因として深酒による泥酔や睡眠薬使用があります。


腕枕をして寝たことによるいわゆる「ハネムーン症候群」は有名ですが、私自身はそういった幸せな原因で発症した方を診た経験はなく、ほとんどが泥酔か睡眠薬使用の方でした。


泥酔や睡眠薬使用の方は麻痺回復が遷延化しやすい印象ですが、健康な方が「朝起床したら手が動かなくなっていた」というパターンでは早期に回復する方が多いのでしょう。


私も朝起きた時に手がしびれて動かなっていることが時々あります。ごく軽度の橈骨神経麻痺なのだと思いますが、深酒すると完全な橈骨神経麻痺を併発してしまうかもしれません。


整形外科医が橈骨神経麻痺を発症すると全く仕事にならないので、これからは深酒を少し控えようと思います。ミイラ取りがミイラになると恥ずかしいですからね(笑)。




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