昨日の午後は、若年者の大腿骨頚部骨折に対する関節内骨折観血的手術でした。
単純X線像上はGarden stage 1でした。


大腿骨近位部骨折では牽引手術台を使用するケースが多いです。高齢者ではあまり問題にならないですが、牽引手術台の問題点として男性患者に陰部神経麻痺を併発することがあります。


特に若年男性は筋肉量が多いため、かなり牽引を掛けないと整復されないケースが多いです。しかし牽引を掛けすぎると、陰部神経麻痺を併発する可能性が高まるのが難しいところです。


大腿骨頚部骨折は転子部骨折や骨幹部骨折と比べて、牽引力が少なくても整復できる可能性があります。特に若年男性はできるだけ牽引を掛けないで手術を終了させることが重要です。


大腿骨頚部骨折はありふれた外傷なので、いつもと同じ感覚で牽引しがちですが、若年男性では陰部神経麻痺が併発する可能性を常に考えておく必要があります。


若年男性に陰部神経麻痺を併発すると、かなり問題が大きくなります。その方の人生を台無しにしないためにも整形外科医としては充分に注意を払うべきだと思います。



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