今日の午前は外来だったのですが、若年女性の関節リウマチの診察を行いました。
その方は第2子の周産期に関節リウマチを発症したのですが、もうひとり挙児希望しています。
この方は現在MTX 6mgで寛解状態です。MTXガイドラインでは妊娠希望の場合、少なくとも3ヵ月前にはMTXを中止する必要があると記載されています。
しかし、私的には3ヵ月では気持ち悪いので、できるだけ半年前からMTXを中止するようにしています。こうなると予定通り妊娠・出産するまで、少なくとも1年半近くかかることになります。
この間、MTXフリーの状態が続くのですが、当然関節リウマチが再燃するリスクが非常に高くなります。現にこの方も、妊娠・出産をきっかけにして関節リウマチを発症しています。
つまり子供は欲しいけれど、関節リウマチが再燃するリスクが高まるという困った状況に陥るのです。この状況に対応するには、現状では下記の2つの方法があります。
① MTXを2mg/月ずつ減量していく過程で、関節リウマチが再燃すればステロイドを投与する
② MTXを2mg/月ずつ減量していく過程で、関節リウマチが再燃すればバイオ製剤を導入する
経済的なことも含めて通常は①を採用するケースが多いと思います。ステロイドといってもリンデロンやデカドロンは胎盤を通過するので、プレドニンやプレドニゾロンを投与します。
しかしステロイドだけで疾患活動性を抑えられない場合は、生物学的製剤(エンブレルもしくはシムジア)を導入します。エンブレルやシムジアは胎盤を通過しにくいと言われているからです。
このあたりの匙加減はケースバイケースなので難しいですね。いすれにせよ、リウマチ医として最も注意することは、MTX服用中の妊娠は絶対に避けることを説明しておくことだと思います。
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