一昨日の午前は外来でした。
先日のkeegan型頚椎症と診断した突然左上肢を挙上できなくなった70歳台の方の続報です。
発症後1ヶ月の現在で、肩周囲の筋力がMMT 3レベルにまで回復しました。結局、頚椎MRIや筋電図では明らかな異状所見を認めませんでした。
筋電図に関しては予約がなかなか入らなかったため、発症から3週間近く経過して回復傾向にある状態で施行しているため本当に所見が無かったのか自信を持てません。
上記から厳密な意味ではkeegan型頚椎症ではないと思います。しかし、相変わらず運動障害のみで感覚障害はありません。印象としては何らかの神経炎を発症していそうです。
仮に神経炎だとすると、時間の経過とともに自然治癒するのかもしれません。以前も書いたように、このような方を何名か診察したことがありますが、いずれも1~2ヶ月で自然治癒しました。
まあ、結果良ければ全て良し(?)なのですが、調べると鑑別診断として筋萎縮性側索硬化症(ALS)があるそうです。上肢全体にびまん性に筋萎縮が進行する場合には要注意です。
このように他科との境界領域の疾患は、なかなか病態把握からして難しいので慎重に診察して経過観察を行う必要がありそうです。
★★★ 管理人 お勧めの医学書 ★★★
自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。
Critical thinking脊椎外科
アクセスカウンター
- 今日:
- 昨日:
- 累計:
管理人によるケアネット連載コラム
管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
人気記事
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
カテゴリ別アーカイブ
QRコード
お気に入りリンク集
記事検索
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。
利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。
当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。