今日の午前は外来でした。夏休みが終わろうとしているためか、2名連続で側弯症の学校検診に引っ掛かった高校生が受診しました。


側弯症例の80-90%は原因不明の特発性脊柱側弯症です。しかし特発性(=原因不明)と診断するには、潜在しているかもしれない神経学的異常や筋・系統疾患を除外する必要があります。


神経学的異常所見を発見するためには、腹壁反射が有用です。もし腹壁反射で片側のみ消失している場合には、MRIを撮像して脊髄空洞症を除外しておく必要があります。


私達は画像でCobb角を計測して、①15度以下は6ヵ月毎の経過観察 ②15~25度は3ヶ月毎の経過観察 ③25度以上で発育が1年以上見込まれる例は装具療法導入 と単純化しがちです。


もちろん、ほとんどの症例は上記アルゴリズムで問題無いです。しかし、腹壁反射は簡単に確認できるので、学校検診で引っ掛かって受診した患児には全例で確認する必要があると思います。


ちなみに装具療法は、側弯の矯正効果をあまり期待できず、側弯が増悪することの防止効果が目的となります。したがって側弯が増悪する前に治療開始することがポイントになります。



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Critical thinking脊椎外科