ロボットスーツ(パワードスーツ)をご存知でしょうか? 2004年に筑波大学の山海教授によって設立されたサイバーダイン社が製造しているHALという世界初のロボットスーツです。



                        

HAL




これは、装着することによって身体機能を拡張・増幅・補助することができる世界初のサイボーグ型ロボットであり、製品としてレンタル方式およびリース方式で販売されています。


HALは装着者の皮膚に取り付けられたセンサーを通して微弱な生体電位信号を感知し、サーボ機構によって装着者の動きを補助するようにスーツが動作します。


現在2タイプが存在し、HAL 3は脚部のみですが、HAL 5は腕、脚、胴体の全てが稼動します。そしてHAL 5は、装着者が本来持てる重量の5倍の重量を持つことができる性能があります。


何年か前に日本整形外科学会のブースでHAL 5を見かけたことがある方もいると思います。現在は医療機器の許可申請中なので、福祉施設へのレンタルのみを行っている状況です。


来年に医療機器の許可が下りる見込みで、そうなると何らかの点数を取れる可能性がでてきます。まだHALを導入している医療機関は少ないので、宣伝を兼ねてHAL導入を検討しています。


その流れで、一昨日にデモンストレーションを行いました。被験者は若い女性PTだったのですが、HALを装着すると歩きにくそうでした(笑)。営業担当の方の話では少しコツがあるそうです。


私達のように100%の身体機能がある健康者には装着するメリットは小さそうですが、脳血管障害等で0%に近い身体機能しか無い方には大きな力になるのかもしれません。


サイバーダイン社は日本発の世界初の上場ロボットベンチャー(東証マザーズ: 7779)ですが、HALの普及を含めて日本の復権のためにも成功して欲しいものですね。



               ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。




                     


                  
Critical thinking脊椎外科