人工関節の術後感染発生率は、概ね2~7%程度という報告が多いと思います。
一度感染を併発すると治療に難渋するので、感染対策は非常に重要です。


私の勤務する病院でも感染対策の一環として抗菌薬含有セメントの導入を検討しています。現在国内ではBiomet社、Stryker社から販売されいます。



バイオメット社製抗生剤入セメントCobalt G-HVカタログ




上記は、Biomet社のCobalt G-HV Bone Cementのカタログです。このセメントは色調がブルーなので術中の視認性が非常に良好です。セメントの取り残しを大幅に減らすことができます。


Cobalt G-HV Bone Cementは、Cobalt HV(高粘度)の特徴に加えて、抗菌薬(ゲンタマイシン)を含有している製品です。メーカーが謳う製品の特徴は下記のごとくです。


   ① ゲンタマイシンの広い抗菌スペクトル
   ② 高いゲンタマイシン溶出量
   ③ 高い機械的強度を維持
   ④ ハンドリングに優れた高粘性
   ⑤ 視認性に優れたコバルトブルー


販売は1個単位で可能とのことです。ただし、保険適用は人工関節の2期的再置換術の第2段階に対しての使用のみになります。これ以外は病院負担となり、定価22,500円です。


尚、THAでの使用時には、Biomet社企画のセメントセミナーに参加することが必須とのことです。TKAでの使用時はこのかぎりではありません。


私の勤務する病院ではTHAはセメントレスなので、基本的にTKAでの使用になります。病院負担がネックですが、Cobalt HVは非常に有用なのでCobalt G-HVの導入も検討したいと思います。




       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
    初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


                  

    
      人工膝関節置換術[TKA]のすべて-安全・確実な手術のために