先日施行した筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術(MILD法)の方ですが、
手術当日の夜に体動が激しかったため、ドレーンが引き抜けてしまいました。


ドレーンの引き抜けは翌日の初回包交の際に発見したのですが、固定糸よりも体側で引き抜けていました。一応、エアタイトネスは保たれていましたが、ドレナージ効果は消失していました。


骨折や人工関節手術ではドレーンが抜けてもさほど問題にならないですが、さすがに脊椎手術でドレーンが引き抜けると術後の硬膜外血腫のリスクが高まります。


幸い、硬膜外血腫併発の徴候は無かったですが、内心ヒヤヒヤしていました。特にMILD法のような低侵襲手術では棘突起も再建するので、術後の硬膜外スペースに余裕がありません。


頚椎手術ほどではないですが、低侵襲の脊椎手術においては術後のドレーン管理が重要であることを、今更ながらに再認識しました。


再発防止策を考えたのですが、このような体動によるドレーンの引き抜けを防止するためには、固定糸を1ヵ所だけでなく2ヵ所作成する必要があると思いました。


もちろん2ヵ所の固定糸でドレーンを固定しても、激しい体動下では抜けてしまう可能性はありますが、1ヵ所だけよりは幾分ドレーン引き抜けのリスクは低下するのではないかと思います。




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