今日の午前は、外来をしていて興味深い発見がありました。
犬に指を咬まれた患者さんが受診されましたが、受傷翌日の創は特に問題ありませんでした。


それよりも私が非常に驚いたのは、当直アルバイトに来ている外科医師がこの患者さんの初診時に施行した処置がとてもユニークだったことです。


指先を犬に嚊まれたため径5mmほどの咬創を形成していました。通常、咬創内を洗浄した後、ガーゼを貼付する処置が多いと思いますが、今回はドレーンまで留置していました。


そして、そのドレーンですが、なんと”ナイロン糸”をドレーン代わりにしていたのです!処置内容は極めて簡単で、3-0 ナイロンを”ブスッ”と咬創内に差し込んだだけです。


ナイロンが10mm程度創外に出るように、残りの部分を短く切ります。そして創外に飛び出たナイロン糸をステリストリップで皮膚に固定していました。


なるほど、極めて安価かつ簡単に小さな創でも有効にドレナージできています。私的にはかなりトリビアだったので、動物咬創を処置する際には私も同様の方法を採りたいと思います。


今回のように他大学や他科の医師の流儀を拝見することは、非常に勉強になります。それにしても、いろいろな場所でさまざまな工夫が日常的になされていることを改めて認識しました。


------------------------------------------------------------------------


2014.10.21 pm14:50 追記

北の整形外科医 様から下記のサイトをご紹介いただきました。


               新しい創傷治療

  【目次】 → 【動物咬傷】 → 【総論】 → 【咬傷のドレナージ】


今回、私が見たものと同じドレナージ法でした。特に「コヨリ法」が秀逸だと思います。
確かに患者さんは、チクチクして痛いとおっしゃられていました。


あと、固定はステリストリップである必要性は無いですね。
安価な未滅菌の固定用テープで充分です。


貴重な情報を教えていただき、本当にありがとうございました!




       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
  初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


                   
    

          
          整形外科研修ノート (研修ノートシリーズ)