昨日の午前中はアルバイト先で外来をしていました。
旅行で長距離を歩いてから膝痛が治らないという20歳台の女性が初診しました。
診察すると内側谷に索状物を触知して圧痛もあります。
関節水腫は無く、単純X線像上も明らかな異常所見を認めません。
診断は、もちろん膝関節のタナ障害です。MRIの冠状断で肥厚したタナの存在を
確認できますが、触診だけでほぼ診断はつくと思います。
今回はスポーツが原因ではなく、一過性の膝関節への過負荷が原因なので、
まずは安静と消炎鎮痛剤の処方としました。
スポーツが原因の場合には、日常的な膝関節への過負荷が原因なので
消炎鎮痛剤だけではなかなか治癒しない印象があります。
このような場合には、ステロイドを混注した関節腔内注射が効果的であるケースが多いと思います。ステロイドは懸濁性の方がよく効きますが、若年者が多いため私は水溶性を選択します。
ステロイドを混注した関節腔内注射を施行しても痛みが収まらない場合には、鏡視下タナ切除術の適応ですが、幸い私はそこまで重度なタナ障害を経験したことはありません。
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