今日の午前はアルバイト先での外来でした。
70歳台の方が数年前から右上肢に力が入りにくくなったとのことで初診されました。
診察すると右上肢の遠位優位の筋萎縮を認めました。
三角筋の萎縮も軽度ですが認めます。知覚障害や下肢の痙性は認めませんでした。
カルテを参照すると10年前からちょこちょこと受診歴があり、7年前に肘部管症候群の診断で手術を受けていました。上肢の筋萎縮は著明ですが、何故か鷲手変形は無さそうです。
10秒テストも20回程度可能であり、巧緻機能障害も無さそうです。何とも不思議な身体所見で、診断に困ってしまいました。鑑別診断として筋萎縮性側索硬化症(ALS)を挙げるべきです。
しかし経過が長いことと右上肢に限局しているのでALSでは無さそうです。実は昨日に発症後1年のALS患者さんを診察したのですが、筋萎縮の状態や麻痺の現れ方が全く異なりました。
今回の方は、keegan型頚椎症などのいわゆる頚椎症性筋萎縮症の一種ではないかと思います。取り合えず針筋電図を施行しつつ、神経内科医師の診察を仰ごうと思います。
それにしても、他科との境界領域の疾患は、なかなか病態把握からして難しいですね・・・。
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Critical thinking脊椎外科
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