昨日の外来で、興味深い患者さんを診察しました。
40歳台半ばの女性が、2日前から誘因なく右股関節が痛くなったとのことで初診されました。


かなり痛そうに右下肢を引きずりながら診察室に入ってきました。比較的若年者の股関節部痛なので、普通に考えたら臼蓋形成不全による股関節水腫を予想すると思います。


しかし、単純X線正面像を確認すると、臼蓋形成不全をほとんど認めません。臼蓋荷重部傾斜角はやや大きめではありますが、高度の股関節水腫をきたすほどの所見ではありません。



石灰沈着性大転子滑液包炎





おかしいなと思ってもう一度診察し直すと、どうも大転子周囲の圧痛がかなり強いようです。腫脹や発赤ははっきり分かりませんが、触診すればするほど大転子に限局しての圧痛のようです。


再度、単純X線正面像を確認すると、右大腿骨大転子部の外側に石灰沈着を認めました。年齢と部位から鑑別診断に入れていませんでしたが、どうも石灰沈着性大転子滑液包炎のようです。


上の画像で、大転子部外側の石灰沈着を確認できると思います。やはり、身体所見をきっちり取ることが、診断・治療を行う上で非常に重要であることを改めて認識しました。




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                       股関節学