今日は朝から忙しかったです。
本日未明に私の携帯電話が鳴りました。
なんだぁ~?と思って出ると病院からの電話でした。昨夜は当直だったので今晩電話がかかってくるハズがありません。眠気眼で対応していると、どうも受け持ち患者さんが脱臼したようです。
この方は、年末に他院で大腿骨頚部骨折に対して人工骨頭置換術を施行された方です。回復期リハビリテーション目的で、私の勤務する病院に転院してきました。
しかし、認知症がきつくてほとんどリハビリテーションになりません。脱臼肢位への理解も乏しく(無く)、すぐに危険肢位をとってしまいます。
そうは言ってもTHAではなく人工骨頭ですから、一般的にはそれほど脱臼に関してはナーバスになる必要は無いと思います。実際、自験例で人工骨頭の脱臼など皆無です。
静脈麻酔下に整復したところ、屈曲・内転・内旋位では全く脱臼しないのですが、屈曲・外旋位であっさり前方に脱臼しました。ちょっと外旋するだけで脱臼するほどの易脱臼性です・・・。
改めて診療情報提供書を見直したところ、手術記録は仕方無いとしても脱臼肢位の記載がありませんでした。回復期サイドからは、急性期は全くのブラックボックスです。
今回は、回復期の担当医師は整形外科専門医(つまり私)ですが、リハビリテーション医であることも多いです。リハ医は手術経験も無いので、ますます術後患者さんはブラックボックスでしょう。
回復期担当医の目からみると、急性期病院から送られてくる患者さんはトラブルが多いです。自分が執刀して回復期に転棟させた方と比べて圧倒的に高リスクなため、正直言って怖いです。
医療制度に異を唱えるわけではありませんが、本来的には執刀医が責任を持って最後まで(リハビリテーションまで)治療を受け持つべきではないのか? と感じる今日この頃です。
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