先日、日本整形外科学会骨粗鬆症委員会の骨折調査事務局から平成26年度の大腿骨近位部骨折に関する調査票が送られてきました。


この調査は、全国の日整会認定施設に毎年送付されています。今年も送付されてきたので、非常に面倒なのですが症例の詳細を登録しました。


今回は人事異動の境目の時期だったので、私が全ての症例を登録しました。当然、私が執刀した症例だけではなく、他の医師の受け持ち症例があります。


この大腿骨近位部骨折に関する調査票から、受傷から手術までの日数や入院期間なども分かります。狭い院内にも関わらず、この2項目で医師間に大きな差があることに気付きました。


異動された医師は、受傷から手術までの期間が非常に短く、当日手術の割合が私以上に徹底されていました。う~ん、確かに思い返せばそのような傾向があったかもしれません。


一方、入院期間ですが、私の3ヶ月に比較してその医師は1ヶ月前後と非常に短い点に気付きました。これにはカラクリがあり、私は回復期病棟への転棟をルーチン化していたのです。


異動された医師も同じような方針で診療にあたっていると思っていましたが、この結果には驚きました。たしかに入院患者数は私の方が多かった気がします。


狭い院内なので、治療方針ぐらいはある程度統一しておく必要があるなと改めて思いました。これは、面倒な大腿骨近位部骨折に関する調査の意外な効用でした。



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