Medical Tribuneで興味深い記事がありました。
英・医師へのクレーム調査で精神的打撃と萎縮診療が明らかに です。




診療行為へのクレームを抱える医師は,そうでない医師に比べ精神的幸福度が大きく悪化することが,英国の医師約8,000人を含む横断調査で明らかになった。


特に医師の診療行為の調査を行う医事委員会(GMC)からの照会を受けた場合には通常のクレームの場合よりも精神的打撃を受けた割合が多かった。


また,多くの医師が「高リスク患者の診療を行わなくなるなど,診療行為が防衛的になった」と回答。


報告者で英・Imperial CollegeのTom Bourne氏らは「クレーム調査により患者ケアを改善するというGMCの主旨とは異なる結果で,その過程を見直す必要がある」と提言している。





今回の調査では、① 診療行為へのクレームが医師の精神的幸福度や健康に与える影響 と ② クレームを抱えることで医療行為が防衛的になるかどうかが検討されました。


過去6カ月以内にクレームを抱えた医師はクレームがない医師に比べて、抑うつ症状の相対リスクが1.77、不安障害・自傷行為・自殺念慮などのリスクも2倍以上に上昇しました。


クレームを抱えた医師の82~89%がその後の診療が過剰になり、46~50%が複雑な症例の診療を担当しなくなったり特定の処置や難しい症例の担当をしなくなったと答えたそうです。


また、本人へのクレームがなくても他の医師のクレームを聞いた場合に、クレームを抱えた医師と同様の割合で「診療が防御的になった」と答えました。


確かに、私たちも他の医師のトラブル事例を見ることで防御的な診療になりがちです。これは身近な事例だけではなく、大野病院事件などのトンデモ事件からも強い影響を受けます。

 
医師へのクレームは、医師個人の資質に問題のあるケースも多いですが、医療の万能感への期待から来るクレームも多い印象です。なかなか解決が難しい問題ですね。



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