先週も、人工膝関節全置換術(TKA)がありました。
もともと脛骨近位骨切は髄外ガイドでしたが、最近では髄内ガイドを使用しています。


髄内ガイドのメリットは、「悩む必要が無い」ことだと思います。髄外ガイドの場合には正面・側面で下腿アライメントが合っているかを何回もチェックします。


そして、本当にこのアライメントで正しいだろうか? と悩んでしまいがちです。しかし、髄内ガイドの場合には、ロッドを髄内に放り込んでしまえば、後は自然に骨切角度が決定してしまいます。


つまり、髄外ガイドと比べてあまり悩む場面が無いのです。もちろん、脛骨近位骨切の正確さに関しては、髄外ガイドに比べて髄内ガイドの方がより正確だとは思いません。


しかし、脛骨の髄腔に対する侵襲がやや大きくなるものの、髄外ガイドと比べて悩む時間が少ないので、髄内ガイドの方が良い気がします。


髄内ガイドを使用する場合の注意点は、単純X線像上で下腿軸をマーキングすることで、髄内に挿入するロッドの脛骨近位部でのエントリーポイントをあらじめ確認しておくことです。


この作業を怠ると、ロッドを髄内に挿入するエントリーポイントが狂ってしまい、正確な脛骨近位骨切ができなくなるので注意が必要だと思います。


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