先日、母指の屈筋腱損傷に対して腱縫合術を施行しました。
この方はしばらく放置していたため、受傷後1週間経過した時点で手術となりました。


創はMP関節部だったのですが、受傷から1週間経過していたため中枢側はかなり退縮していることが予想されました。そこで術前にMRIを施行しました。


P1070711


上の画像がMRIなのですが、MP関節付近に長母指屈筋らしき索状物を確認できます。しかし、1週間も創周囲に中枢側断端が留まっている可能性は低いので参考程度に考えていました。


しかし、実際に創部を展開すると、中枢側断端はMRIとほぼ同じ部位にありました!かなり中枢側まで屈筋腱を追うことを覚悟していたので嬉しい誤算です。結構、MRIは有用ですね。


さて、屈筋腱は4-0 ループ針3本を用いて津下法で縫合しました。いわゆる6-strandです。ちなみにstrandは実際に腱間を通る糸の数ですが、4-strandよりも6-strandが推奨されています。



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