先日の人工関節術後にドレーンを使用するべきか否かという話題の続きです。
PubMedで検索した限りでは、ドレーンの有用性を支持する論文は少ないようでした。
ドレーンの使用を完全に否定する論文はありませんでしたが、術後ドレーンの有用性について疑問を投げかける論文やドレーンを使用しないことを推奨する論文が多かったです。
そこで、THAやTKAと比べて術後出血が比較的少ないと思われる人工骨頭置換術で、術後ドレーン不使用を試してみることにしました。
まず、術中操作は当然ながらドレーンを留置する手間が無くなるので少しだけラクになりました(笑)。次に術後の創周囲の腫脹ですが、あまりドレーン使用症例と有意差はなさそうです。
更にドレーンを使用しないメリットとして、創をオープンにする時期が早いことが挙げられそうです。これはドレーン孔からの滲出液の漏出が無いためです。
まだ、人工骨頭置換術でのみ恐々とドレーン不使用を試している段階ですが、多くの論文が述べているようにドレーン不使用の方が優れた術後管理なのかもしれません。
今回のドレーン不使用の件で、今まで常識だと思っていた事柄であっても、世の中の移り変わりの結果、案外多数派ではなくなっていることが多いのかもしれないと思いました。
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