以前、腎機能に優しい整形外科医で記載したように、高齢者に対してはできるだけNSAIDsの長期投与を避けるべきだと思います。このことに関しては、COX-2阻害剤も例外ではありません。


最近、立て続けに80歳台の高齢者の脊椎圧迫骨折の入院がありました。受傷から3~4週間程度はかなり痛みがあるので、フレームコルセット装着下であっても離床が困難となります。


ロキソニン等のNSAIDsを、80歳台の高齢者に3~4週間も投与し続けることは少し気持ち悪いです。しかし、アセトアミノフェンでは鎮痛効果をあまり見込めません。


そこで、最近では積極的にトラムセットを投与するようになりました。外来診療では便秘・眠気・嘔気などの副作用が気になって高齢者には処方しにくいです。


しかし、入院中の患者さんなら副作用を併発しても迅速に対応できるので、NSAIDsやアセトアミノフェンではなく、腎機能障害の少ないトラムセットを第一選択で処方するようにしたのです。


トラムセットなら3~4週間程度投与しても、それほど大きな問題は併発しなさそうです。また、NSAIDsやアセトアミノフェンよりも鎮痛効果が高いとのことで、患者さんからの評判も上々です。


外来では処方をはばかられる患者層でも入院なら簡単に導入できるので、脊椎圧迫骨折のように比較的長期投与が必要な方には、トラムセットを第一選択にしてもよいかもしれませんね。



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 一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。


                      

 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる