先日、17歳の非骨化性線維腫(non-ossifying fibroma; NOF)の患児の診察をしました。非骨化性線維腫は、線維性骨皮質欠損(fibrous cortical defect; FCD)と組織学的には同一です。


比較的ポピュラーな良性骨腫瘍で、小児の主に大腿骨遠位の後面内側に好発します。骨皮質内にできる地図状の欠損で骨膜反応はありません。


15歳以上で骨硬化像を伴う症例では、自然消退する可能性が高いです。この患児は13歳から丸4年間観察しているのですが、先日の時点(17歳)で急激に自然消退しました。


NOF



自然消退することは容易に予想されたのですが、勤務医をしていると2~3年毎に異動があるので最後まで経過を追えるケースがそれほど無いと思います。


今の職場では少し長く御世話になっているので、初診からNOFの自然消退まで観察するという貴重な体験をしました。ひとつの職場に継続勤務させていただいていることに感謝ですね。



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 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)