私は鎮痛剤を選択する場合に、腎機能障害がロキソニン等と比べて少ないと言われているトラムセットを使用するケースが多いです。


トラムセットは眠気と便秘が2大副作用なので、外来では若年者であっても慎重に眠前1錠から投与開始するケースが多いです。このため、導入が面倒くさい印象のある薬剤です。


上記の副作用のため、私は高齢者には使いづらい薬剤だと思っていました。何故なら高齢者には便秘症の方が多いですし、ふらついて転倒するリスクもあるからです。


一方、整形外科の入院患者さんには高齢者が多いです。前述したように以前から私には「高齢者にトラムセットは使いにくい」という刷り込みがありました。


しかし良く考えたら、入院中の高齢者に関しては外来でトラムセットを処方することに比べて、眠気と便秘といった副作用に注意するストレスがそれほど高くないことに気付きました。


何故なら、入院中の方に上記の副作用が発生しても簡単に対処できるからです。トラムセットの副作用は比較的早期に出現します。


このため、眠前1錠服用してもらって翌日に患者さんの回診をすることで、少なくとも眠気やふらつきの有無は確認できます。便秘に関しても入院中であれば容易に緩下剤で調整可能です。


このことに気付いてから、入院中の高齢の患者さんの疼痛コントロールでは積極的にトラムセットを使用するようになりました。疼痛治療も日々変化していくことを実感します。



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 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


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