私が勤務する病院では回復期病棟があるため、
急性期病院からの患者さんを受け入れています。


一応、診療情報提供書を確認して受け入れるか否かを判断するのですが、病院経営陣の方針でほとんどの患者さんを受け入れるように指導が入ります。


経営的には、リスキーな症例でも空床になるよりはマシなのは理解できます。このため、可能なかぎり回復期病棟へ受け入れるのですが、最近は術後1週間以内の転院依頼が増えています。


ひどい場合には手術当日にいきなり転院依頼する医師まで出てくる始末です。私も急性期病院に長年勤務していたので、急性期病院の医師の気持ちは分かります。


しかし、手術をして1週間も経過していない患者さんを回復期に転院させようとする気持ちはさすがに理解できません。私なら不安でそのような行為は取れないです・・・


手術技量に絶対の自信があっても、合併症は技量とは無関係に併発します。特に術後1週間はリスクが高い時期であるにも関わらず、手術をしたらサヨナラという姿勢はモラルを疑います。


そうは言ってもそのような依頼が多いのは事実なので、何とか転院患者さんと病院スタッフの身を守らなければなりません。そこで転院時期をできるだけ遅らせる交渉を前医と行います。


医療制度を考えると現実的ではないですが、本来なら執刀医の下で治療を継続することが患者さんにとって最も安全です。後医にとって前医の治療は全くのブラックボックスだからです。


このあたりの患者さん自身のメリットも念頭に置いて、できるだけ前医の下で患者さんの状態が落ち着いてから転院してもらうことにしています。


こんなことを考えざるを得ないこと自体が、病病連携の趣旨から外れています。しかし、「手術が終われば慢性期」という人が増えているのは事実なので、現実的に対応しようと思います。



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