高齢者の脊椎圧迫骨折で骨粗鬆症の強い症例では、ときどき初診時から圧潰した椎体内にintravertebral vacuum phenomenonを認めることがあります。


この所見をみとめると高率に椎体骨折は偽関節化します。このような症例では早期からかなり厳密な安静と仰臥位禁止を指示しますが、残念ながら偽関節化する症例が後を絶ちません。


偽関節化すると慢性疼痛や遅発性麻痺の原因となるので、何とか偽関節化を阻止したいです。最近、このような症例に受傷早期からPTH製剤(フォルテオ)を投与してみました。


すると、intravertebral vacuum phenomenonは椎体前方にのみ部分的に残存するものの、椎体中央から後方にかけてはしっかり骨癒合する症例を何名か経験しました!


今のところ、完全に偽関節化する症例は幸い経験していません。私の肌感覚では受傷早期からのPTH製剤投与は脊椎圧迫骨折の偽関節化の予防に役立っていると思います。


PTH製剤に関してはTHA後のステム周囲骨折でもかなりの効果を発揮してくれました。高価な薬剤なので乱用はいけませんが、難しい症例では心強い味方になってくれる存在だと思います。


私の場合、初診時~受傷後1ヵ月以内に椎体内にintravertebral vacuum phenomenonを認めた症例では、骨癒合するまでの間は3ヶ月程度を目安にしてPTH製剤を投与します。


椎体の骨癒合が完成すれば基本的にはPTH製剤の投与は不要ですが、そのまま2年間の投与を継続する方も多いです。


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