先日、私の受け持ちの80歳台の入院患者さんを回診した際に、ベッド柵で右後頭部を打ってから頭痛が続くと訴えられました。


診察しましたが、身体所見・神経学的所見とも特に異常をみとめませんでした。現時点では打撲なので様子を見ましょうと患者さんに説明しました。


翌日の回診の際に、今日は気が進まないのでリハビリテーションはお休みにしたいとおっしゃられました。この方は認知症もなく自分の意思ははっきり伝えることができます。


少しだけですが、いつもと異なる雰囲気に違和感を覚えました。その日はリハビリテーションを休むことを了承しましたが、明日はがんばってくださいねと伝えました。


そして翌日ですが、回診時にまだ頭痛が続いていました。今日もリハビリテーションを休みたいとのことです。う~ん、頭部CTを撮影した方が良いのかな? と思いながらベッドを離れました。


その後は他の患者さんの回診を続けていたのですが、ベテラン病棟看護師さんからPHSで連絡がありました。曰、右後頭部に多数の水疱形成を認めるとのことでした・・・


再度、患者さんを訪床して後頭部を診察すると確かに右半分だけ水疱形成しています。一見して帯状疱疹ではないですか・・・。


以前、脳神経外科から回ってきた大後頭神経領域の帯状疱疹をブログに記載しましたが、ベテラン看護師さんの指摘が無かったら私も同じ轍を踏んでしまうところでした。


エラソーに「脳神経外科医は頚部~後頭部の痛みは整形外科へという方程式に少しバリエーションを加えて欲しいと思いました」と述べましたが、私は不遜で思い上がっていたようです。



初心に戻って診療に対して謙虚になるとともに、コメディカルの協力は医療を安全に行う上では欠かせない要素であることを再認識しました。



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