先日の外来で自転車で転倒して手をついてから痛みが続く方が初診されました。
診察すると手関節(橈骨遠位端ではない)に限局した腫脹を認めます。


単純X線像を施行すると側面像で手根骨の裂離骨片を認めました。そこでCTで精査をすると、どうも三角骨骨折(Os triquetrum)のようでした。う~ん、これは珍しい・・・


axi - コピー
sag - コピー




医局に戻って 手の外科の実際 、Campbell's Operative OrthopaedicsGreen's Operative Hand Surgery を紐解きましたが、簡単な記載しかありませんでした。


そこで、もう一度CTを読影すると、背側の裂離骨片を有効に内固定する手段が無いことに気付きました。この骨折型では消去法的に保存治療しかなさそうです。


Green's Operative Hand Surgery に4-6週間の外固定とあったので、半肢ギプスを巻いて保存治療することにしました。偽関節化して疼痛が残れば骨片摘出術で対応しようと思います。



             ★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。
特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく
実践的な医学書です。




                                                   

                                        
            
手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス