整形外科を受診する外来患者さんの足部疾患のひとつに足底腱膜炎があります。
基本的には加齢性の変化なのでストレッチと局所安静が治療になります。


しかし、消炎鎮痛剤を服用しても劇的な効果はあまり見込めません。また、下肢なので日常生活で歩行せざるを得ず、安静を保つといっても限度があります。


ステロイドのトリガーポイント注射は有効ですが、軟部組織を傷めてしまうため複数回の注射は好ましくありません。足底板は高額にも関わらず効果が不確実なので躊躇してしまいます。


こうなってくると治療には手詰まり感が漂います。もちろん、足底腱膜炎を放置したからと言って何か重大なことが発生するわけではないので、何となく様子をみることが多いです。


しかし、痛がる患者さんをみていると何かしてあげたくなるのが人情です。そこで、足底腱膜炎の患者さんには、とりあえずテーピングを試してみることにしています。


テーピングの方法ですが、アンカーテープ無しで単純に5cm幅のサポートテープをアキレス腱部から前足部まで貼付するだけです。複雑なことを説明しても患者さんは理解してくれません。


この際に、足関節を底屈させてテーピングすることがポイントです。足底腱膜の緊張をサポートテープで緩和させてあげるイメージです。これは踵骨骨端症(シーバー病)にも応用できます。


3名中1名ぐらいには効果がある印象です。外来でテーピングしてみて効果がありそうなら、テーピングテープを自分で購入することを勧めています。安価で意外と好評な治療だと思います。



             ★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



                  
 


          
DVDで学ぶ 理論と実践!治療的テーピング