日整会誌(Vol.89 No.10 October 2015)のJOS掲載原著論文要旨に、日本における人工股関節全置換術後患者の転倒実態調査 に関する論文が紹介されていました。


著者は医療法人増原クリニック リハビリテーション科の生友尚志先生です。THA術後患者さんの転倒発生頻度に関する報告はほとんどありません。


今回の調査対象は214名(男性11名、女性203名)・平均年齢は66.0±8.7歳で、過去1年間での転倒経験を調査されています。結果は下記のごとくです。


・ 過去1年間での転倒発生率は36%
・ 転倒者の受傷率は37.7%、骨折併発率は5.2%
・ 転倒発生には ① 服薬が有る ② 術後経過年数が短いこと が関連している


本邦での65歳以上の地域在住高齢者の転倒発生率は15-25%と報告されており、THA術後患者さんは同年代の健常高齢者と比べて転倒の危険性が高いようです。


今回の研究結果から術後早期の患者さんは転倒リスクが高いため、充分な注意喚起が必要であることが示唆されました。今後の診療に役立てたいと思います。



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                                    人工股関節全置換術