ジャンプなどの跳躍系の動作は膝関節に大きな負担を掛けます。
このため、ACL再建術後の患者さんにジャンプを許可する時期はひとつのポイントになります。


時期的な目安は術後5ヶ月前後であることが多いのですが、筋力トレーニングの進捗状況は個人差が激しいので、一律に期限で区切ることは問題が多いです。


充分に下肢筋力が回復していないにも関わらず跳躍系の動作を許可すると、せっかく再建した靭帯が再断裂してしまう危険性があります。


このようなACL再断裂併発のトラブルを回避するためには、下肢筋力がどの程度回復しているのかをサイベックスなどの機器で直接確認することがベストです。


跳躍動作時には、体重の200~250%の負荷がかかると言われています。このため、下肢筋力が体重の200~250%まで回復すれば、跳躍してもACLが再断裂する危険性は低いです。


しかし、体重が重い人が250%にまで下肢筋力を回復させることは難しいのが現状です。このため体重の重い人は200%まで、軽い人は250%まで回復させることをひとつの目安にします。


サイベックス等の筋力測定機器が無い施設では、やむを得ず大腿周径の健側比で判断します。この場合には健側比で1cm未満にまで筋力が回復している必要があるでしょう。




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