整形外科医が扱う疾患では高齢者の骨折が多いです。
骨折発生リスクは骨粗鬆症だけではなく、認知症も挙げられます。
このため、必然的に私達は高齢の認知症患者さんと日々向き合うことになりますが、認知症患者さんの中には「異食」行為を行う方が居ます。
先日、私の担当患者さんが他の患者さんのスプーンを食べてしまいました。この方は入院時から自分の便やオムツを異食していたので、スタッフ全員で厳重に監視していました。
しかし、術後数週すると劇的に身体能力が改善して自分でどんどん歩けるようになったため、ちょっとスタッフが目を離した隙に同室の他の患者さんのスプーンを食べてしまったのです。
緊急内視鏡を施行して何とか事なきを得ましたが、その後の対策に頭を悩ましています。当然、患者さんの周囲に物を置かない等は行っていますが、自分で勝手に歩いて移動します。
病棟全体から物を無くすことは不可能なので対応に苦慮しています。介護の書籍には「ストレスを溜めない」といった現実離れした対策が多いですが、現実に即した対応を発見できません。
身体能力が正常に近づくにつれて、ますます異食への対応が難しくなります。ひとまず、離床マットとミトンを装着することで対応していますが、これでさえ万全ではありません。
病院勤務の立場では「身体能力が改善して退院すれば問題解決」ですが、退院後の対応が非常に難しいです。この場合、介護のプロはどのような対応をするのか教えて欲しいところです。
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