先日から外来で足底腱膜炎の治療をしている方がいますが、なかなか治療効果を得ることができません。私は、足底腱膜炎の治療を下記のようなアルゴリズムで治療を行っています。


1. 消炎鎮痛剤および外用剤投与
2. テーピング指導
3. ステロイドのトリガーポイント注射
4. 足底板作成


やはり、③のトリガーポイント注射が最も効果が高いですが、痛いので嫌がる患者さんが多いです。この場合、足底板作成となりますが、高価であるため私はこちらの工夫を実践しています。


このように、少し気を使う(?)足底腱膜炎の治療ですが、どうしても痛い治療が嫌という患者さだったので、やむを得ずガーゼを使った足底板を試してみましょうという提案をしました。


しかし、意外なことに既に足底板を装着している(!)とのことでした。どこで作ったのかをお伺いすると、以前に「靴屋さん」で作ったとのことでした。


なんでも、靴屋さんで足底痛の相談をすると足底板の作成を勧められたそうです。価格は2万円弱で、当然医療保険は利きません。しかも何故か治療用靴(?)とのセット販売とのことです・・・


拝見したところ、どこが「治療用靴」なのか理解できませんでしたが、合計金額をぴったり医療機関で足底板を作成するのとほぼ同額に設定しているようでした。


傍からみると靴屋さんによる「抱き合わせ商法」なのですが、問題点はこの足底板が全然効果が無い点です。高い商品にも関わらず効果が全く無いようでは話になりません。


靴屋さんにとっては販売促進活動の一環なのでしょうが、話を信じた患者さんからすればタマッたものではありません。医療業界の周辺には人の弱みにつけこむ怪しげな人が多いようです。



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オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。