先日、大学から医師を招聘して手術を執刀していただきました。
同門なので普段から交流はありますが、一緒に手術に入る機会はあまりありません。


このため、興味深く手術手技を拝見させてもらいました。やはり同門医師といえども、私とは流儀が違います。皮膚切開前から「あっ」と思うことがありました。


通常、皮膚切開部に皮膚ペンでマーキングを行います。閉創の際に縫合部がずれないように、皮膚切開に直交するラインを1cm間隔で引き、円刃の背で軽くマーキングします。


こうすることで閉創の際にも創がずれなるので実践されいる方は多いと思います。しかし、今回の医師は円刃の背でマーキングした後に、もう一度皮膚ペンでラインを引いていました。


結構しつこく円刃の背でマーキングした部位に皮膚ペンでラインを引く姿に思わず笑いそうになりました。しかし、閉創の際に皮膚のマーキング部位がくっきりと確認できました。


従来の皮膚ペン後に円刃の背でマーキングするだけの場合と比べて、その後に皮膚ペンでラインをもう一度追加で引いた方が明らかにはっきりとマーキング部位を視認できます。


術野を洗浄するので、従来法ではマーキングが薄くなって部位が良く分からなくなることが多いです。しかし、この方法だと最後までマーキングがくっきり分かります。


つまらないことかもしれませんが、私はこの工夫に感心しました。早速、翌日の手術から実践させてもらいました。先日も述べたように多様性は重要だと思いました。





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