先日の第53回日本リハビリテーション医学会学術総会で、松原メイフラワー病院・院長の松原 司先生の講演を拝聴しました。

松原先生は日本を代表するリウマチ医のひとりです。今回はリハビリテーション医が対象であったため、生物学的製剤の選択方法などの基本的な内容の講演でした。


日本で使用できる生物学的製剤は現在7剤(バイオシミラーを含めると8剤)です。これだけ数が多いとどれを選択すれば良いのか迷いますが、下記のような方針を提示されていました。



  1. 患者さんの経済的な問題をクリア
  2. 患者さんのライフスタイルに合わせて点滴・皮下注射を選択
  3. MTX使用可、もしくは使用不可で下記の選択基準とする


MTX使用可の場合

  • 全ての生物学的製剤が使用可能
  • 早い効果を強く希望する場合: IFX, CZP
  • CRPが高い、SAA高値: TCZ
  • 増量の必要性が見込まれる場合: IFX, ADA, GLM
  • 継続率を重視: ETN, TCZ, GLM
  • 免疫異常が強い患者: ABT


MTX使用不可の場合

  • 第1選択: TCZ
  • リスクの高い患者、高齢者: ABT
  • 第2選択: GLM, CZP 



上記の①をクリアしないことにはそもそも話になりません。場末の病院においては、実はこの点が最も問題になることが多いです。


私も②を最も重視しています。最近では自己注射に対して抵抗感の少ない方が増えてきているので、皮下注製剤を処方する機会が増加しています。


小規模病院では呼吸器内科医師や肝臓が専門の消化器内科医師が常勤医で居ない施設が多いと思います。このため私は安全第一に徹しており、ABTを選択することが多いです。


整形外科医である限りは、関節リウマチの患者さんを避けて通ることはできません。できるだけ標準に近い方法にしたがって、生物学的製剤を選択しようと思います。




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