現実の世界では、物事が計画通りに成功する確率は低く、予想外の事件の発生やイノベーションが出現することで状況がひっくり返される例がたくさんあります。



一方、スポーツやゲームなどの厳密なルールがある世界ではイノベーションが起きる余地がありません。このため、確立された勝利の方程式をマスターすれば成功する確率が高いです。


日本の大学受験も、これに該当すると思います。 学力に関連する能力は、20個以上ある人間の能力のうちの2~3個に過ぎません。


この分野である程度の能力のある人なら、日本の大学受験で既に確立されている勝利の方程式を黙々とこなすことで大学合格という結果を比較的容易に出すことが可能です。


これに対して、社会的規範のゆるい分野ほどルールがすぐに変化してしまいます。その分野では確実に成功する手法は存在しません。


このため、予測できない方法で初心者が参入して成功を収めることが可能となります。そして、現実社会は後者に属します。世界は予測不可能であり、すごい速さで変化しているのです。


ここまでのくだりは、成功は“ランダム”にやってくる! で紹介されている内容です。私自身、ここまでの著者の主張には全面的に賛成です。






しかし、現実の世界であっても、ある程度の勝利の方程式は存在すると思います。もちろんスポーツやゲームのように、永遠に近い期間、世界中で不変的に存在するものではありません。


しかし、10年ほどの期間、ある特定の領域で通用する勝利の方程式は存在すると考えます。 勝利の方程式を教えてくれる人や書籍はそれほど多くありません。ほとんどはニセモノです。


方程式の真贋を確認する方法としては、 その特定領域のルールを熟知することです。ルールを熟知することで、方程式の有用性をある程度予想することが可能となるのです。


ここでのポイントはいかにしてその領域のルールを熟知するのかです。もちろん、ルールブックなど存在しません。私はこれに対応するものはたくさんの書籍だと考えています。


一冊一冊の書籍だけでは得られる情報は少なく偏りがあります。しかし、特定領域の書籍を数十冊~数百冊レベルで読破することで、ぼんやりとしたイメージが頭の中に浮かんできます。


そのイメージこそが、その特定分野のルールに近いものである可能性が高いのです。ここで得たイメージを用いて勝利の方程式の真贋を検証することが最もお勧めの方法だと考えています。

 




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