大学同期の医師同志で飲みに行くことがときどきあります。
同期と言えども科や働いている環境が異なるため、面白い話を聞けることがあります。
最近感じたのは、医師間の差がかなり大きいことです。具体的には「ゲートキーパー」の立場に居る医師は、特に羽振りが良い点です。
ゲートキーパーとは狭義には門番のことですが、私の中では「キャッシュポイントの支配者」の立場の医師と定義しています。
整形外科医の中で具体例を挙げると、 脊椎外科医、リウマチ医、関節外科医が御三家です。これらを専門とする整形外科医は、それ以外の領域の医師と比べて何かと恵まれています。
脊椎外科医はインストゥルメンテーション、リウマチ医はバイオ製剤、関節外科医はインプラントという高額なモノを選択する立場に居るため、メーカーに対して大きな力を持っています。
この中でも脊椎外科医はとび抜けています。バイオ製剤やインプラントは償還価格切下げ圧力が強いですが、インストゥルメンテーションは新規性のあるものが続々投入されているからです。
このようなゲートキーパー的な立場を目指して専門分野を決める人はあまり居ないですが、医師人生に意外なほど大きな影響を与えると思います。
しかし、問題点は現時点でのゲートキーパーは将来のゲートキーパーを約束するものではないことです。10年後に現在の状況が続いている保証は全くありません。
その意味では、「偶然」 選択した分野がゲートキーパー的な要素が強いのであれば非常にラッキーです。ただし、見た目の派手さほどには実際のメリットを得ている人は少ないです。
ファシリテーターになって海外に何度も行くと言っても、手残りはたかが知れています。時流に乗っていることを自覚しながらも、 現状を客観的に見つめる冷静さも必要だと思います。
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