日整会広報室ニュースに興味深い記事がありましたのでご紹介いたします。
長く野球を楽しむための10の提言です。


平成27年度に日整会は全日本野球協会と共同で、全国の小学生の硬式・軟式野球412チームに対してアンケート調査を施行しました。結果はこちらで見ることができます。


そのアンケート結果を基づいて、長く野球を楽しむための 10 の提言が提唱されています。大規模な調査がベースであるため内容に説得力があります。



〔長く野球を楽しむための 10 の提言〕

1. 全力投球数が 1 日 50 球以上や週に 200 球を超える選手の障害の発生率は明らかに高い。将来とも長く野球が続けられるよう、全力投球はこれ以下の数を しっかり守ること。

2. 小学生の練習は、1週間に3日以内、1日3時間を超えないこと。

3. 練習前後のウォームアップ、クールダウンには十分な時間をかけ、少なくと も20 分以上を励行すること。

4. 毎週月曜日をセルフチェックの日と定め、指導者や保護者は、身体の痛みや肘の曲げ伸ばしの範囲に注意すること。

5. 少子化でチームの人数が少ない場合、特定の選手に過重な負担がかからないように配慮すること。

6. 障害の発生の初期段階では4、5日練習を休むと痛みが無くなることがある。まだ少しでも痛みがある時や再び痛みが出た時は整形外科受診が望ましい。

7. 練習以外の自宅でのトレーニングが過重にならないこと。身体の緊張をほぐすため1日数回のストレッチを習慣づけるように指導し、過剰な筋力トレー ニングは行わせないこと。

8. 全力投球をしないシーズンオフを少なくとも3カ月もうけること。例えば守備練習で捕球のみとし、全力送球をしない練習内容とする。

9. 1人の選手が1年間で出場するのは70 試合以内とするのが望ましい。

10. スポーツ障害の予防は、指導者・保護者の緊密な連携が大切で、整形外科専門医の定期的な検診を受ける仕組みを設けること。




私たちが子供の頃には考えられなかったような内容も含まれます。具体的には⑤で、確かに今の小学生チームでは9人集めるのも一苦労なところが多いと聞きます。


この提言を整形外科医だけがみるのはもったいないです。是非、日整会に頑張っていただいて、全国の野球少年の親御さんや指導者の方への啓蒙をお願いしたいところです。




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