今週の整形外科関係のブログで興味深い記事が2つありました。
電通の事件に端を発したブラック企業関係の話題です。



それぞれの立場から医師のブラック環境について考察されていますが、バックグランドが異なるためか全く違う視点からの意見なので興味深かったのです。


考えてみれば、若い医師は文字通りのブラック環境で働いていることが多いです。私も初期の頃は膨大な量の業務をこなしていましたが、精神的に追い詰められることは無かったです。


自分がブラックな環境で働いているという自覚は無く、喜々として働いていました(笑)。その最大の要因は、膨大な業務は自分が医師として成長する糧になると感じていたからだと思います。


一方、卒後10年近くなってくると、日々の業務や研究から自分の糧になるような気付きや経験を得る機会が少なくなってきます。こうなると膨大な業務はブラック環境化に直結します。


実際、3次救急の基幹病院に勤務していた際にはマンパワー不足が恒常化していたため、医師免許を賭けざるを得ない場面に遭遇する機会も多々ありました。かなり辛かったです。


ブラック環境に一定期間身を置くと思考能力が消失してしまいます。ただ、何も考えずに反射的に目の前の業務をこなすだけの状態に陥りがちなのです。


そして、周囲の人も同じ境遇なので、自分がブラック環境に居る自覚さえ失ってしまいます。これはかなり危険な状態ですが、自力で脱出する発想を得るのは並大抵のことではありません。


英語ペラペラ道場のブログ主先生がおっしゃられるように、ブラック環境対策は予防が大切で、常に自分の置かれている状況を客観的に俯瞰する習慣をつけることが必要だと思います。


2つのブログを拝読してフムフムと相槌を打っていましたが、ふと今の自分はどうなんだろう?と思い当たりました。答えは、即答で超ホワイト環境でした(笑)。


今後も自分自身がブラック環境に身を置くことは、ちょっと想定できません。少しお利口になって世間が見えるようになったことと、経済的にはリタイア可能になったことが大きいです。


医師の仕事は面白いので、ホワイト環境でなら働いていこうと思います。リタイアして周囲に投資家しか居ない環境になってしまうと、つまらない人生になってしまいますから・・・




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