先日、小児の上腕骨外顆骨折の手術がありました。
上腕骨外顆骨折は、小児の骨折の中でも難易度の高い手術のひとつです。


手術が上手いくか否かは、手術前の段階から始まっています。一般的に肘周囲骨折では軟部組織が高度に腫脹します。このため、至適位置に皮膚切開を加えることが難しいです。



555 - コピー



上図は正常例の肘関節側面像ですが、上腕骨顆部の肘頭窩部(8の字の中心部)を透視下にマーキングします。こうすることで正確な側面から骨折部にアプローチすることが可能となります。


通常、上腕骨外顆骨片は伸筋群に牽引されるので掌外側に転位しますす。このため、外顆骨片を触知して、その直上に皮膚切開を加えると前方過ぎることが多いのです。


小児の肘関節はとても小さいので、皮膚切開の位置がイマイチだと術中操作で苦労します。このため、手術を始める前からスムーズに終了するための闘いが始まっているのです。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。