国際化のためか、旅行中の事故のために外国で手術を受けた方を時々診察します。
やはり、骨折の手術が多いですが、このような方は問診の段階で身構えてしまいます。


何故なら、かなりの確率で「えっ・・」と絶句してしまう術後単純X線像だからです。頻度的にはオーストラリアで手術を受けた方が多い印象ですが、絶句画像のオンパレードです。


米国・英国・東南アジア諸国で手術を受けた方でも、どうしようもない画像を頻回にみかけます。その国の医療水準の問題なのか、旅行者に対する手抜きの問題なのか、どちらなのでしょう?


例えば、先日見たオーストラリアで手関節の掌側プレートを受けた症例では、ほとんど骨折の整復がなされておらず、しかもプレートが橈骨掌側面から完全に浮き上がっていました。


このままでは長母指屈筋腱皮下断裂は必発でしょう。一刻も早く抜釘しなければなりませんが、内固定材料が何なのかが分かりません。


ハワイで頸椎前方固定術をされた症例では、移植骨片およびプレートが脱転していました。。。どうやったらこんな手術になるんだろう???


タイで脛骨遠位端骨折の関節内骨折観血的手術を施行された症例では、整復状態は素晴らしかったのですが、残念ながら感染していました。


あぁ、海外で手術を受けることはこんなにリスキーなのか。。。単なるカラーバス効果なのかもしれませんが、もし自分が外国で手術を受けねばならくなったらどうしよう?


少しでも帰国できる芽がありそうなら、ICUジェットをチャーターしてでも絶対に帰国しようと思います。やはり、海外旅行するときには、保険は必須ですね。





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