ダイヤモンド・オンラインで興味深い記事がありました。
「死にたくなければ女医を選べ」日本人の論文が米で大反響 です。




慎重にガイドラインを遵守する女性 リスクを取りガイドラインを逸脱する男性


研究チームの一員であるハーバード公衆衛生大学院の津川友介氏は「一般紙では『男性医師は3万2000人を殺している』とか『死にたくなければ女医を選べ!』みたいな極端な扱いをされてしまってちょっと困っています」と苦笑しながら、「例えば、医学部で受けた教育プロセスが同じで勤務先や診療スタイルも同じ、しかも周囲の評判に差がなければ男性医師よりも女性医師のほうが質の高い医療を提供している可能性がある」という。  


津川氏の説明によると、一般に女性医師は、診療ガイドライン(GL)などルールの遵守率が高く、エビデンス(科学的根拠)に沿った診療を行うほか、患者とより良いコミュニケーションを取ることが知られている。また、女性医師は専門外のことを他の専門医によく相談するなど、可能な限りリスクを避ける傾向があるようだ。 「ここにあげた理由は先行研究で示されたことですが、今回の調査でも女性医師のほうが、より詳しい検査を行うなど慎重に診療を進めている可能性が示唆されています」  


ただ、米国でも医療界は「男社会」で、医学部卒業生の男女比は1:1なのに、実際に働いている女性医師はまだ全体の3割ほど。給与面にも格差があり女性医師の給与は男性医師よりも平均8%低い。質の高い医療を提供できる女性医師が実力を発揮できる場は、かなり狭いのだ。


「現実に死亡率を0.4%下げようとしたら、並大抵のことでは達成できません。女性医師はもっと評価されてしかるべきです。一般の方も『男性、経験豊か』が良い医師だというステレオタイプの思い込みは捨てたほうがいい」  


米国の調査結果を一律に日本に当てはめて良いかどうか議論の余地はあるが、ステレオタイプを見直したほうがいいのは日本でも同じ。  


ただ、現時点で主治医の性別に一喜一憂する必要はない。第一、日本の内科医の8割は男性なので、残念ながら女性医師に当たる確率は少ない。むしろ男女によらず、様々な研究で示唆された女性医師の長所──エビデンスに基づく診療を心がけ、決して独りよがりにならない柔軟性と謙虚さを持ち合わせているか、を見極めるほうが現実的だ。






非常に興味深い研究ですね。整形外科は内科以上に男性社会なので、女性医師の比率が極端に低いです。私自身、大学病院以外で女性医師と一緒に働いた経験はありません。


もちろん、内科等の他科では女性医師も居るのですが、他科医師の本当の実力は、全く分からないのが実情です。 しかし、表面的な仕事のしやすでは、男性医師と明確に差がありそうです。


ここからは完全に私の主観ですが、
たしかに女性医師はコミュニケーション能力が男性医師と比べて高い印象です。アスペルガー的医師の含有率も男性よりも低い気がします。


そもそも、女性医師の置かれている立場は結構厳しいです。何故なら、看護師をはじめとする周囲のコメディカルは女性が多いので、どうしても心理的な障壁が出来てしまいがちだからです。


更に、女性医師は自分が医師であることをアピールする必要があります。実際、私の大学同窓生の麻酔科女性医師は、黙っていると看護師さんと間違われて苦労したとこぼしていました。


このように、コミュニケーションを取ることが難しい立場の人間が、組織の中で生き抜いていくためには、必然的にコミュニケーション能力を磨かなければいけないのかもしれません。 


そういったコミュニケーション能力や、リスクを取らずに忠実にルールに従って診療する姿勢が、治療成績の向上に資するのかもしれません。


今回の研究の考察から、 男性医師・女性医師云々ではなく、周囲とのコミュニケーション能力・エビデンスに基づく診療・独りよがりにならない柔軟性や謙虚さが重要なのだと感じました。





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