私がメインで勤めている病院は、土地柄か外国人がよく受診されます。しかし、英語を話せない方でも、Google翻訳とスマートフォンの音声入力機能で意思疎通を図ることが可能です。
実は、先日のブログを書いた直後に、外来で無線LANを使用できる環境を整えていただきました。これで、スマートフォンを持った患者さんなら、何語の人でもドント来い!です(笑)
便利な世の中ですが、思わぬところに落とし穴があります。それは、支払い関係です。旅行者の突発的な事故や疾病なら、海外旅行保険に加入していれば問題になりません。
しかし、たとえば中国などから日本在住の家族のところに遊びに来た人が、医療ツーリズムとして日本の医療機関を受診するケースでは注意が必要です。
彼らから見ると、中国人医師よりも日本人医師や日本の医療機関の方が信用できるようで、せっかく日本に来たのだから日本人医師の診察を受けたいという気持ちがあるようです。
しかし、慢性疾患は海外旅行保険の対象ではありません。先日受した60歳台の方は、膝関節水腫がかなり高度でした。最初は治療の観点から、単純X線像→関節注射かなと思いました。
しかし何かの拍子に、支払いが自費になる可能性があることを思いついて本人に確認すると、やはり無保険で自費でした。う~ん、この程度のことは受付の段階で確認して欲しいところです。
自費で単純X線像→関節注射コースとなった場合の費用を概算してもらったところ、約12000円とのことでした。この金額なら支払えるとのことだったので、治療を行うことになりました。
結果的には、大腿骨内顆骨壊死後の末期変形性膝関節症でした。TKAしか治療方法はなさそうです。しかし、水腫が高度なので、まずはステロイド関節注射を施行しました。
その後の会話で、中国では中国製インプラントになるのが嫌だとおっしゃっていました。う~ん、中国でもZIMMERやStryker製インプラントはありそううな気がしますが確証を持てません。。。
何だかんだ言っても、一般の市中病院でも国際化が進んできている気がします。言語の問題はもちろんのこと、支払い関係にも気を配る必要がありそうです。