整形外科では高齢者の骨折を治療する機会が多いですが、退院先には自宅以外にもさまざまなパターンがあります。私はあまり理解できていなかったため、少し調べてみました。
まず、費用と要介護度別の各施設の立ち位置を、分かり易く示した図をご紹介します。オアシスナビというHPから転載させていただきました。
要介護度が高くても費用の安い、最も条件が良い(?)施設は、特別養護老人ホームです。コストパフォーマンスに優れるため、入居までの待機期間の長い施設が多いことが問題点です。
また、入居対象が要介護3~5に限定されていることもネックです。しかし、重度の要介護者にとっては「終の棲家」となるので、経済的に余裕の無い高齢者向け施設の王様と言える存在です。
グループホームは、地域限定型施設で軽度の認知症高齢者を対象としています。身体状態が悪化すると、退去しなくてはならないケースがあることが問題点です。
ケアハウスは、身寄りがなかったり、家庭環境や経済状況などの理由により家族との同居が困難な高齢者が、自治体の助成で有料老人ホームよりも比較的低い費用で利用できる施設です。
施設による差が大きいことと、ヘルパーの援助で自立した生活ができなくなれば(要介護状態になれば)、退所しなければならないことが問題点です。
サービス付き高齢者住宅は、自立・要介護を問わず幅広く許容している施設が多いことが特徴です。有料老人ホームと比較して、コストが安いことがメリットです。
介護付き有料老人ホームに入所できればベストですが、費用面での問題のため全ての人が入所できるわけではありません。医師としても、その他のオプションを知っておくべきでしょう。