先日、初診外来をしていた際に、前日に時間外受診した患者さんが再診しました。易感染性の基礎疾患がある方で、中指末節骨骨髄炎を併発していました。


発症後2週間ほどで、すでに外科で切開排膿されています。それまで外科外来で延々と創処置を受けていましたが、たまたま前日の担当医師は、他院からの整形外科医でした。


きっと、診察して驚いたのでしょう。できるだけ早期の治療が望ましいので、明日入院準備をして整形外科を受診するように指示したそうです。ばっちりカルテにも記載されています。


私の診察時には、確かに末節骨骨髄炎ではあったのですが、発症してからまともな検査がなされた形跡がありません。培養も提出されていないので、抗生剤の選択も難しい状況です。


客観的にみて、培養結果が出るまでは外来でも対応可能な状況です。しかし、カルテには「要入院」とはっきり記載されています。困ったな・・・


患者さんは入院準備して来られているのですが、入院しても特段やることはありません。人工関節センターを併設しているので、むやみに感染患者さんを入院させたく事情もあります。


今後の治療方針は下記の予定です

  1.  培養に提出して起炎菌と薬剤感受性を同定
  2.  薬剤感受性のある抗生剤を投与
  3.  ある程度感染を鎮静化させた上で、掻破洗浄術を施行


①もできていない段階で、いきなり入院指示を出されると非常に困ります。後医の治療の選択肢を制限してしまう内容は、できるだけカルテに記載するべきではないでしょう。


特に、年次の高い医師は、このことに留意するべきだと思います。経験豊富であるため、自分の治療方針に絶対の自信を持っている医師が多いです。


しかし、治療を行う医療機関の事情まで考慮しているケースは稀です。今回は、以前ご紹介したケースの亜型だと思いますが、後医の裁量権は奪わないように注意したいものです。






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