私は、毎月月末に所有している金融資産の時価評価を行っています。結構面倒臭い作業ですが、自分のポートフォリオを知るためにも欠かせないです。


いつもは単に株式や通貨の価格を入力し直すだけですが、今回は配当や分配金まで確認してみました。前回確認したのは約5年前でしたが、配当や分配金に大きな変化がありました。


ほとんどの配当や分配金は2~3割ほど増加していました。特にJ-REITの分配金の増加率には目を見張るものがあります。2009~2011年は毎回のように分配金は減額していました。


2012年になって小康状態になったので、それ以来分配金の確認を怠っていました。私は超長期逆張り投資家なので、「買えなくなる」と興味を無くして存在自体を忘れてしまうのです。


そして、久しぶりに見直した配当や分配金は、5年前と比べて大幅に増額されていたのです。2017年4月30日現在の損益評価率および配当利回りは下記のごとくです。



J-REIT
  • 評価率 243.3%
  • 分配金 9.33%


電力株
  • 評価率 144.1%
  • 配当金 2.81%


産金株
  • 評価率 159.6%
  • 配当金 0.71%


欧州銀行株

  • 評価率 140.1%
  • 配当金 3.24%


これをみると、J-REITの収益性の良さが光っています。やはり日本にREIT市場が誕生してからの18年間で、一番大底だった2008~2009年に大人買いしたのが効いています。


REITを観察していると、分配金の推移と株価・地価の動きが1年遅れで連動しています。この理論が正しければ、上昇が続いていたREITの分配金は、そろそろ横ばいになりそうです。


次に電力株ですが、最近は復配するところが増えました。さすがに東京電力は復配できないでしょうが、原子力発電と心中すると揶揄されていた関西電力まで復配する予定です。


私は、関西電力と中部電力を中心に、(原発を所有していない)沖縄電力以外のすべての電力会社を大人買いしています。配当が増額し始めたステージなので、今後が楽しみです。


ターゲットは、購入価格に対する配当利回り6%です。現在は2.81%と道半ばですが、震災前と同等のレベルまで上がると7%を越える計算です。


さすがにそこまでは期待していませんが、電力株で配当利回り6%を確保できるのであれば、ATM的な資産として永久保有でもOKではないでしょうか?


欧州銀行株に関しては、まだ配当の下落が止まっていません。この銘柄群が高配当を生み出すお宝資産化するのは、まあ数年かかると予想しています。


特にドイツ銀行に大量投資している身としては、ドイツ銀行の行く末を注視しています。ドイツ銀行は、2017年4月に既存株主に対する虐殺的増資を敢行して財務基盤が安定しました。


野村證券もそうですが、金融機関はこのような既存株主に対する虐殺的増資をしがちなので注意が必要です。


幸い、私の購入単価13.24ドルに対して4月30日現在で18.84ドルなので、虐殺的増資で株価が下落したものの、まだ4500ドルほどの含み益を確保しています。


そしてこの増資に伴い、1.9ドル×900株=1710ドルの臨時ボーナスが入ったのでまだ心情的にはマシですが、そんな端金よりも増資前の「濃い」株式が良かったです。。。


このように、私の金融資産投資の根っこは「配当を得る権利を最大限収集する」です。限られた資金で、可能なかぎり最大のユニット数を買い集める・・・


すぐに結果が出ないことが欠点ですが、複数の不労所得を獲得するひとつの手段として、チャンスの窓が開いた時限定で、金融資産投資にチャレンジするのも悪くないと思います。





★★  医師のための金融資産形成術  ★★


資産家および医師を対象として、2015年10月に開催した本ブログ管理人による 「金融資産形成術セミナー」 の動画、および講演で使用したスライドです。



NY夜景

      



勤務医・開業医の種類に関わらず、医師が資産形成する際には下記の3つを組み合わせることで効率良く資産形成することができます。


1. 医師免許をベースにした人的資産からのキャッシュフロー
2. 不動産からのキャッシュフロー
3. 金融資産投資の技術


①②で得られる安定したキャッシュフローを元手にして、③の金融資産投資技術を用いて資産形成するのです。しかし、多忙な医師が金融資産投資で結果を出すのは難しいのが現実です。


一方、金融資産投資は買値で投資収益性が決まります。 ”多忙な医師がいかにして金融資産を安く買うか?” という命題を解決するため、私は超長期逆張り投資戦略を選択しています。 


今回の「金融資産投資術セミナー」は、資産形成マニュアルで提示した資産形成手法における金融資産投資の各論です。築古木造戸建投資は「守」、金融資産投資は「攻」という位置づけです。


築古木造戸建投資の「守」 と 金融資産投資の「攻」の組み合わせが、安定的な所得のある医師の資産形成における有力な選択肢のひとつと考えています。