Medical Tribuneで興味深い記事がありました。
通勤手段と全死亡、がん、CVDの関係は? です。




英国のグループが通勤手段と全死亡、がん、心血管疾患(CVD)のリスクの関係を大規模研究で検討、その結果をBMJ(2017; 357: j1456)に発表した。


同グループは、通勤手段と全死亡、がん、CVDとの関係を、アクティブ通勤(徒歩または自転車、両者のうちの1つを含むミックス型)および非アクティブ通勤(自動車または公共交通機関を利用)との間で検討した。


対象は、英国内22地点で登録したバイオバンク参加者26万3,450例(平均年齢52.6歳、女性52%)。中央値5年の追跡期間中に2,430例が死亡した(うち、がん死1,126例、CVD死496例)。がんの発症は3,748例、CVDの発症は1,110例であった。


解析の結果、非アクティブ通勤群と比べ自転車通勤群は全死亡〔ハザード比(HR)0.59、P=0.002〕、がん発症(同0.55、P<0.001)、がん死(同060、P=0.01)のリスクが有意に低かった。自転車を含むミックス型通勤群でも全死亡、がん発症、がん死リスクの有意な低下が認められた。


CVD発症のHRは自転車通勤群が0.54(P=0.01)、徒歩通勤群が0.73(P=0.04)、CVD死のHRはそれぞれ0.48(P=0.03)、0.64(P=0.01)と、いずれも有意に低かった。


しかし、徒歩通勤と全死亡およびがん発症・がん死との間に有意な関連は認められなかった。また、徒歩を含むミックス型通勤はいずれの転帰とも関連はなかった。





う~ん、非常に興味深い記事ですね。実は、私も自転車通勤派です。別に自転車競技に興味があるわけではなく、健康に配慮しているわけでもありません。


最大の理由は、最も勤務先の病院まで早く行けるからです。電車やバスを乗り継いでの通勤や自動車通勤よりも、自転車で行く方が早く病院にたどり着けるのです。


片道7kmぐらいですが、平坦なのでさほど苦ではありません。最近では自転車専用レーンが整備されてきたので、かなり自転車通勤のストレスが解消されてきました。


このように完全に実利ベースでの自転車通勤なのですが、今回の研究では、健康面でも自転車通勤に分がありそうです。自転車はランニングに比べて、関節の負担も少なそうです。


今回の研究では、徒歩通勤の検証もされていますが、こちらは全死亡およびがん発症・がん死との間に有意な関連は認められませんでした。


理由はよく分かりませんが、もしかしたら運動量や運動時間が自転車通勤ほど多くないからかもしれません。


いずれにせよ、自転車通勤は健康にも良さそうなので、雨と雪の日以外はこれからも続けていこうと思いました。





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