外来をしてると、既往歴に甲状腺機能低下症の患者さんが多いことに気付きました。かなりの頻度なので、最近では甲状腺機能低下症と言っても何も感じなくなっていました。


ところが、先日の手術症例で、麻酔科医師から甲状腺機能低下症で何の検査もしていないことを指摘されました。甲状腺機能低下症の一体何が問題なのか?


麻酔科医師に確認したところ、私たちが医師になるより前の時代に、術後心不全で死亡する症例が散見されたそうです。レトロスペクティブに調査すると、甲状腺機能低下症でした。


今では野放しの甲状腺機能低下症の患者さんは、ほとんど見られなくなりました。それだけ医学が発展した証左であり、コントロールされているので周術期も安心です。


実際的には患者さんご自身が、既往歴として甲状腺機能低下症を申告する時点で、しっかり甲状腺機能低下症の治療が行われていることになります。


このため、ほとんどの症例において、甲状腺機能低下症の既往があったとしても、心不全等の臨床上の問題点が発生する可能性は低いです。


ただ、そうは言っても甲状腺機能低下症の既往がある場合には、下記の3点セットを施行することが望ましいです。


  1.  TSH
  2.  free T3
  3.  free T4


仮にTSHが多少高くても、free T3やfree T4が正常値であれば、周術期の臨床としてはほとんど問題ないそうです。


甲状腺機能低下症は、非常にメジャーな疾患という認識ですが、手術症例では、ある程度慎重な対応が必要なようです。






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