小林麻央さんの訃報もあって、改めて「インチキ医療」に注目が集まっています。こちらによくまとまった記事があるのでご参照ください。この記事は、対談形式となっています。


日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科の勝俣範之教授は、日々の診療の傍ら、ニセ医学の検証を行っています。そして、下記のようなインチキ医療の六カ条を提唱されました。


  1.  「○○免疫クリニック」「最新○○免疫療法」などの謳い文句
  2.  調査方法などの詳細が掲載されていない「○○%の患者に効果」
  3.  保険外の高額医療・厚生労働省の指定のない自称「先進医療」
  4.  患者さんの体験談 
  5.  「奇跡の」「死の淵から生還」などの仰々しい表現
  6.  「がんが消えた!」という表現


2つ以上の項目が当てはまれば「インチキ医療」の可能性が高いです。ちなみに、⑥は「がんが治った!」だと薬機法に抵触するので、「消えた」と表現するそうです。。。


UCLA助教の津川友介医師は、本屋の健康本コーナーにある本に、まともな情報はほとんどないとおっしゃられています。


確かに、癌ではありませんが、変形性関節症・腰痛・腰部脊柱管狭窄症など整形外科関連の書籍には、ロクな内容のものがありません。


ときどき、○○クリニック院長という、一応医師免許をもっている人までおかしな書籍を発刊しているので、良識を疑ってしまいます。。。


最後に、癌サバイバーで報道記者の鈴木美穂さんが、有名人やお金持ちほど、標準じゃない治療を選んでしまいがちなのではないか、とおっしゃられたのは印象的でした。


標準治療とは、科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療をいいます。


しかし、「標準治療」という日本語の響きは、「最善の治療」ではなく「標準=並み」と捉えられがちです。有名人やお金持ちほど「標準じゃなくて特別なことを」と思うのでしょう。


このような心の弱みに付け込んで、いかがわしいインチキ医療の誘惑が忍び寄ってきます。人は易きに流れがちです。医療においても「うまい話」などあり得ないのです。 





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