シェムリアップでの夏季休暇からすでの半月近く経過してしまいました。楽しいことはあっという間に過ぎ去っていくモノですね。


さて、私が毎年海外に行く主な理由は、家族に異文化体験をさせてあげたいからです。今回は、現地の人を題材に資産形成のレクチャーを行いました。




資産形成では物価水準の差を考えるべし!


発展途上国で羽振りの良い人達のひとつに、観光客相手の商売をしている職種が挙げられます。今回はホテル・英語を話せるタクシー運転手・華僑のレストランオーナーを例に挙げました。


まず、ホテルですがカンボジアの一人当たりGDPは、2017年で1308 USDです。一方、今回の旅行での宿泊費用は2000 USDでした。


つまり、ひとりのカンボジア人が1年で稼ぐ金額よりも多い金額を、私たちが宿泊したホテルは、たった1週間程度で稼いでいるのです。


そして、今回私たちが雇った英語を話せるタクシー運転手は、合計で100 USDを1週間程度で稼ぎました。ひとりのカンボジア人が1ヵ月で稼ぐ金額に相当します。


更に、華僑が経営するレストランでは、滞在中の飲み食いで300 USDほどの出費をしました。ひとりのカンボジア人が3ヵ月で稼ぐ金額に相当します。


たしかにホテルの環境は快適だし、食事は清潔で美味しく、タクシー運転手とは意思疎通が可能です。しかし、一般カンボジア人の労働力の30~365倍の価値があるのでしょうか?


サービスの質にそこまでの差はないでしょう。現実に発生している大きな収益力の差は、外国人観光客という(カンボジア人から見ると)金持ちを相手にしていることが要因です。


彼らは、高い物価水準の外国人のコミュニティー(もしくは外国そのもの)から高い物価の収益を得て、自国の低い物価水準で生活しています。この差が、彼らに巨額の富をもたらすのです。


この差は、アービトラージの一種といえるかもしれません。とにかく物価水準の異なるふたつの世界の両方に属することは、大きな収益源となる可能性が高いです。


実際に私がおこなっているビジネス(旅館業、空室対策支援事業、医療系スタートアップ)もこのパターンです。


程度の差はありますが、地方開業クリニックや勤務医も同じ収益モデルです。医療費という全国一律で比較的高い物価水準で収益を得て、低い物価水準の地方で暮らしていますから。


そして、逆パターン(低い物価水準の環境で稼いで、高い物価水準の環境で消費する)は最悪です。無意識のうちにやってしまっている人は、とても多いのですが・・・




先日の交渉術に続く、私の実地教育をご紹介しました。旅先のレストランで、夕食を前にしながらこのような話をすると、かなりインパクトが強いです。


やはり目の前で交渉して結果を出したり、ビジネスモデルのカラクリを異国の地で説明することは記憶に残りますから。何事も机上の理論ではなく、実習が大事ですね。





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