入院時のルーチン検査として、ほとんどの施設で胸部X線像を施行すると思います。これに関して特に異議はないのですが、胸部CTはどうでしょうか?
私は バカなので 整形外科医なので、胸部X線像の読影に自信がありません。はっきりと肺野に浸潤影があるケースを除くと、肺炎の診断さえ下せないと思います。
そのような場末の整形外科医にとって、胸部CTは「救いの神」です。胸部CTさえあれば、肺炎の診断も難無く可能です。
しかし、COPDなどでもともと肺野がボロボロの症例では、術前からある所見なのか術後に新たに発症した所見なのかを迷うことがあります。
このような場合に「術前の胸部CT」があると、発症前との比較が可能なので、ずいぶん助かります。内科医師に診察依頼するまでもなく、自分で肺炎の診断ができるのです。
私は既往歴としてCOPDがあると、入院時のルーチン検査として胸部CTも依頼します。入院時チェックの意味合いもありますが、後々のベンチマークとして施行するのです。
もちろん、何事も無く退院してくれるのが最善ですが、超高齢者に関してはなかなかそういうわけにもきません。
入院時胸部CTというその患者さんにとっての「正常所見」を確認しておくことは、術後合併症への早期対応という観点からも、有用な選択枝ではないかと思います。