先日、日経で人工透析に関するニュースがありました。
人工透析への助成年1兆円超 医療費削減の焦点に です。




 高齢化が進むのに伴い、低下した腎臓の機能を補う人工透析治療を受ける人が増えている。その数は30万人を超えて医療費は1兆円超となり、膨らむ人工透析のコストの抑制が医療費削減の焦点になりつつある。安定した収入が見込めるため安易に透析を導入する医療機関もあり、厚生労働省は透析の診療報酬を減額して医療費削減に乗り出す方針だ。


 透析は腎臓の代わりに機械などで体内の老廃物を人工的に取り除く治療法。一般的には週3回受ける患者が多く、医療費は1人当たり年間約500万円かかる。高齢者が増えるのに伴って患者数も増えており、2016年末は約33万人と00年末に比べ約6割増えた。医療費は年間1兆6千億円に膨らみ、同40兆円規模の日本の総医療費の4%程度を占めている。


中略


 患者数が増え、人工透析を手掛ける医療機関は15年末時点で全国に約4400カ所と、この10年で約400施設増えた。


中略


 現在、原則1万円の患者の自己負担は維持し、例えば透析治療による医療費が特に多い病院など、一定の基準を設けて引き下げの対象とする方針だ。具体的な基準は今後詰め、18年度の診療報酬改定から実施する。  





恥ずかしながら、私は透析の医療費に関して全く無知でした。驚いたのが下記の数字です。トンデモナイ数字のオンパレードです。

  • 医療費1兆6000億円
  • 一人当たり医療費が年間500万円
  • 透析施設が10年で1割増
  • 透析患者の自己負担1万円/月


う~ん、絶望的な気持ちになりました。。。これは、いくらなんでもひど過ぎる数字だと思います。こんなことしていたら国民皆保険制度を維持できるはずがありません。


「人の命は地球より重い」という考え方があるのかもしれませんし、弱者に寄り添う気持ちも大切ですが、それでも限度というものがあります。


私たち医師は透析医療の受益者側ですが、こんなことをしていると国がもたないと感じました。厚生労働省には、勇気をもって透析医療の闇に切り込んで欲しいものです。






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