外来で膝関節や肩関節の関節注射を施行する際、刺入部位を間違わないように爪先で患者さんの皮膚にバッテンを付けています。


これは、多くの先生方が無意識にしている行動でしょうが、結構強めに爪跡を残さないと、消毒中に分からなくなることがあります。


しかし、むやみやたらと患者さんの肌に爪跡を残すことはできません。爪跡が消えてしまったら、記憶を辿って注射するのですが、いつもハラハラしています。


何か上手い方法が無いかな? と思っていましたが、よく考えたら単純な方法で問題をクリアできることに気付きました。


それは、イソジン消毒の際に、爪跡を中心に同心円状に消毒することです。こうすることで、仮に肌の爪跡が消えても、同心円の中央に刺入すれば大外れすることはありません。


もちろん、足関節や肘関節の場合、これでは的が大き過ぎてダメです。しかし、膝関節や肩関節では、少々的が大きくなってもOKです。この気付きいかがでしょうか?




2018.1.12 追記

いくつかコメントをいただきました。下記のような方法でマーキングされている先生方が多いようです。

  •  ボールペンの芯を出さない状態でペン先を押し付けてマーキングする
  •  インクがつかないし、しっかり消毒しても跡は消えない


更に、患者さんが『ああ、ここに刺されるんだ』という自覚を持つことで、針を刺しても比較的痛みを感じにくい、という魔法のような効果も付いてくるとのことでした。 



なるほど、ですね。次の外来で試してみたいと思います。それにしても、いろいろな工夫があるものです。御教示いただきありがとうございました!





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